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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻10号

2001年09月発行

今月の主題 縮小治療のための胃癌の粘膜内浸潤範囲診断

主題

非癌部との境界のわかりにくい胃癌は増加しているのか

著者: 細川治1 海崎泰治2 渡辺国重1 服部昌和1 道傳研司1 林裕之1 前田重信1

所属機関: 1福井県立病院外科 2福井県立病院病理

ページ範囲:P.1229 - P.1237

文献概要

要旨 1970年代初期と1990年代後期の各々100例の早期胃癌を対象に,浸潤範囲識別能を比較した.1990年代後期には平均年齢が高齢に傾き,健検診発見例が増加し,大半の拾い上げが内視鏡で行われた.浸潤範囲識別が困難不能なものは1970年代初期の19例から1990年代後期の43例に有意に増加した,困難不能例は平均癌巣径が小さくなり,隆起型の肉眼型で増加し,1970年代初期のtub2,sigからすべての組織型に広がった.1970年代初期には萎縮した粘膜の中深層を癌が浸潤して識別できない例が多かったが,1990年代後期には他の進展形式による困難不能例が増加した.診断方法の変化により辺縁に所見が乏しい胃癌の拾い上げが増したことや,強力な抗潰瘍剤による癌巣の平坦化が要因ではないかと推論された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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