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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻10号

2001年09月発行

今月の主題 縮小治療のための胃癌の粘膜内浸潤範囲診断

主題

病理からみた胃癌の粘膜内浸潤範囲診断

著者: 西上隆之1 小嶋高根2 堀公行3 藤原由規4 中川一彦4 山村武平4 植松邦夫1

所属機関: 1兵庫医科大学病理学第2講座 2小嶋診療所 3堀胃腸科外科 4兵庫医科大学第2外科

ページ範囲:P.1257 - P.1264

文献概要

要旨 胃癌の粘膜内浸潤範囲の肉眼診断は,先達が苦労して作り上げた内視鏡,X線診断学のそれと同じである.すなわち,その診断にあたって大切なことは,癌の発生部位(粘膜背景),組織型,肉眼型,粘液形質などを熟知することである.更に付け加えたいことは,内視鏡機種などの改良により従来発見が非常に困難であった胃型の分化型癌が発見されるようになったことである,この癌の特徴は肉眼的に癌と非癌の境界がわかりづらいこと,生検で病理医が癌と診断することがしばしば困難であること,分化型癌から未分化型癌に変化すると考えられること,胃癌の中に占める割合も現在見つけられているより多いのではないかと考えられること,である.したがって,このような組織型の癌が生検で診断された場合EMRは慎重に行われなければならない.また,この癌を早期に発見することが,今後,進行胃癌を撲滅するのに最も大切なことと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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