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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻10号

2001年09月発行

文献概要

今月の主題 縮小治療のための胃癌の粘膜内浸潤範囲診断 主題

腹腔鏡下胃局所切除(Lesion lifting法)における粘膜内浸潤範囲診断―術前マーキングの重要性

著者: 大谷吉秀1 古川俊治1 吉田昌1 久保田哲朗1 熊井浩一郎2 朴景圭2 向井萬起男3 亀山香織3 杉野吉則4 北島政樹1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部外科 2慶應義塾大学医学部内視鏡センター 3慶應義塾大学医学部病理診断部 4慶應義塾大学医学部放射線診断科

ページ範囲:P.1272 - P.1275

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はじめに

 腹腔鏡を用いた胃局所切除術は内視鏡治療(endoscopic mucosal resection;EMR)と開腹による胃切除術の間に位置し,より低侵襲で確実な方法としてその意義が認識されている1)2).教室では,早期胃癌や粘膜下腫瘍,転移性腫瘍などに対して腹腔鏡下胃局所切除術を実施してきた3)4)

 早期胃癌に対する根治的局所切除の条件は,①リンパ節転移がないこと,②水平方向,垂直方向ともに十分なsurgical marginを確保した切除が行えること,③さらにその切除標本が詳細な病理組織学評価に耐えうることの3点である(Table 1)5).われわれの教室ではこれらの条件を満たすことができる腹腔鏡下胃局所切除術(Lesion lifting法)を積極的に実施してきた3).本稿では水平方向のsurgical marginを確実に得るための注意点を中心に腹腔鏡下胃局所切除術の意義を述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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