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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻10号

2001年09月発行

文献概要

今月の主題 縮小治療のための胃癌の粘膜内浸潤範囲診断 主題

センチネルリンパ節生検を適用した小開腹胃楔状切除における粘膜内浸潤範囲診断

著者: 平塚正弘1 宮代勲1 村田幸平1 土岐祐一郎1 亀山雅男1 石川治1 今岡真義1 飯石浩康2 矢野博之2 上堂文也2 楢原啓之2 竜田正晴2 竹中明美3 石黒信吾4

所属機関: 1大阪府立成人病センター外科 2大阪府立成人病センター消化器内科 3大阪府立成人病センター細胞診断科 4大阪府立成人病センター病理検査科

ページ範囲:P.1280 - P.1281

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はじめに

 胃粘膜内癌(m癌)のリンパ節転移陽性率は2.2%で,潰瘍の有無別にみると,Ul(-)では0.5%で,U1(+)では3.4%である1).Ul(+)症例にはリンパ節郭清を伴う胃切除術が行われているが,術後の後遺症も問題となってきている.リンパ節転移陰性症例を確実に診断することができれば,より多くの症例で郭清を省略して局所切除が可能となる.

 センチネルリンパ節とは,癌の最も近くにあるリンパ管からのリンパが最初に流れ込むリンパ節のことであり,このリンパ節に転移がなければ,その癌の領域リンパ節転移はないので,リンパ節郭清が不要になる.われわれはT1胃癌においてセンチネルリンパ節生検の同定率,転移検出感度が100%であることを報告した2).次のステップとして,倫理委員会の承認を得て,EMRの適応から外れる臨床的m癌を対象としてセンチネルリンパ節生検を適用した胃楔状切除を行っている.現時点では腹腔鏡の解像力の問題もあり,小開腹で直視下にセンチネルリンパ節生検を行っている.この際に実際にどのように粘膜内浸潤範囲診断を行っているかについて述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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