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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻10号

2001年09月発行

今月の主題 縮小治療のための胃癌の粘膜内浸潤範囲診断

主題症例

病変の拡がりの診断に苦慮した早期胃癌の1例

著者: 武本憲重1 小泉浩一1 甲斐俊吉1 山尾剛一1 坂井雄三1 馬場哲1 陳勁松1 藤田力也1 大山繁和2 武藤徹一郎2 柳澤昭夫3 加藤洋3 馬場保昌4 丸山雅一4

所属機関: 1癌研究会附属病院内科 2癌研究会附属病院外科 3癌研究会附属病院研究所病理 4早期胃癌検診協会

ページ範囲:P.1289 - P.1294

文献概要

要旨 患者は60歳,女性.上部消化管検診(直接X線検査)で異常を指摘され,内視鏡検査で早期胃癌の診断がなされた.癌の組織型は印環細胞癌であった.手術目的で当院外科に入院した.入院後の精密X線検査で,病変は胃体下部後壁に存在する粘膜異常(粗大顆粒状粘膜と不整な陰影斑)として,内視鏡所見では,褪色域中の発赤粘膜や散在する淡い白苔として認められた.色素撒布(インジゴカルミン)で褪色域の境界は血管透見像の消失として認められたがその境界は不明瞭であった.Ⅱc病変の周囲にⅡb様病変の存在することを考慮して口側と肛門側に点墨生検を行い癌陰性の粘膜を確認の後に胃切除術(幽門輪温存)が行われた.切除胃標本上,病変は粗大顆粒状粘膜と,その周囲の褪色域として認められたが病変境界は不明瞭であった.病理組織診断では低分化型腺癌(por2),Ⅱc(Ul-Ⅱ),m,大きさが30×25mmであった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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