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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻10号

2001年09月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

子宮内避妊具と注腸所見よりほぼ確診を得た骨盤放線菌症の1例

著者: 多田素久1 田口忠男1 野瀬晴彦1 加藤靖隆1 平野憲朗1 田中武継1 岩間章介1 遠藤信夫2 石毛英男2 今野暁男3

所属機関: 1千葉労災病院内科 2千葉労災病院産婦人科 3千葉労災病院病理

ページ範囲:P.1327 - P.1332

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要旨 患者は57歳,女性.卵巣腫瘍の疑いで当院産婦人科で開腹したが,骨盤内に卵巣,S状結腸,間膜などが一塊となる易出血性の巨大腫瘤を認め,根治手術が危ぶまれた.腫瘤表面の術中迅速組織に悪性所見を認めなかったことから,いったん閉腹し当科に診断の依頼がなされた.問診にて患者の子宮内避妊具長期留置歴を聴取,注腸検査のS状結腸広域のほぼ全周性狭窄と腸管辺縁鋸歯状陰影所見より,骨盤放線菌症の腸管浸潤病変を疑った。自験例では,病理組織学的な放線菌塊の証明はなされなかったが,CT,MRI所見も検討して各種類似疾患を除外し,penicillin療法の著効した臨床的推移と併せ,骨盤放線菌症と診断した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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