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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻11号

2001年10月発行

今月の主題 sm massive以深に浸潤した10mm以下の大腸癌

主題

10mm以下のsm深部浸潤癌の病理学的特徴―組織学的な計測に基づいて

著者: 石黒信吾1 下村哲也1 宮崎守成1 藤井恭子1 辻直子1 真能正幸1 春日井務1

所属機関: 1大阪府立成人病センター病理・細胞診断科

ページ範囲:P.1346 - P.1352

文献概要

要旨 長径1cm以下の粘膜下深部浸潤癌の臨床病理学的な特徴を検討するために,171例の粘膜下浸潤癌(sm癌)を,微小浸潤癌14例(sm浸潤長1mm以下),長径1cm以下のsm深部浸潤癌20例(sm浸潤長1mmより大)および長径1cmより大なるsm深部浸潤癌137例に分けて検討した.1cm以下のsm深部浸潤癌の特徴は,non-polypoid growthの増殖様式を示す癌が多いことや主組織の細胞異型の高い癌が多いために,早期に深部浸潤を来した傾向があることである.さらに,浸潤性の増殖を示し,先進部でsprouting陽性を示す癌が多いことなどにより,リンパ管侵襲やリンパ節転移の率が高い傾向があった.以上より,1cm以下のsm深部浸潤癌は,sm微小浸潤癌や1cm以上のsm深部浸潤癌に比べて,悪性度が高い癌であると結論した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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