icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻11号

2001年10月発行

文献概要

今月の主題 sm massive以深に浸潤した10mm以下の大腸癌 主題

sm massive以深に浸潤した10mm以下の大腸癌の分子病理学的特徴

著者: 藤井茂彦12 藤盛孝博1 西正孝1 甲斐原司1 日下利広13 安藤正夫3 堀公行4 佐野寧5 藤井隆広6 千葉勉2 長廻紘7 加藤洋8

所属機関: 1獨協医科大学病理学(人体分子) 2京都大学消化器病態学 3JR仙台病院消化器内視鏡センター 4堀胃腸科外科 5国立がんセンター東病院内視鏡部 6国立がんセンター中央病院内視鏡部 7群馬県立がんセンター 8癌研究会癌研究所病理部

ページ範囲:P.1363 - P.1370

文献購入ページに移動
要旨 内視鏡的,外科的に切除された大腸sm massive癌70症例とmp癌51症例について,腫瘍径から10mm以下,11mm以上20mm以下,21mm以上の3群に分類し,増殖様式,adenoma componentの有無,K-ras変異の有無,p53,β-catenin,E-cadherinの免疫組織学的発現パターンについて解析し,10mm以下のsm massive以深に浸潤した大腸癌の分子病理学的特徴を検討した.腫瘍径10mm以下のsm massive癌とmp癌は,ともにnon-protruded typeの増殖様式を示す病変が多く,adenoma componentを伴う頻度は低かった.また,K-ras変異は低頻度であり,β-catenin,E-cadherinの細胞膜への局在が消失した病変を多く認め,21mm以上の病変とは異なった特性を示した.よって10mm以下のsm massive癌は水平方向への進展より垂直方向に浸潤する性質を持ち10mm前後の進行癌になると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?