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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻11号

2001年10月発行

文献概要

今月の主題 sm massive以深に浸潤した10mm以下の大腸癌 主題

sm massiveに浸潤した10mm以下大腸癌のX線所見

著者: 松本主之1 飯田三雄2 江崎幹宏2 檜沢一興2 中村昌太郎2 蔵原晃一2 平川克哉3 岩井啓一郎4 八尾隆史4

所属機関: 1九州大学医学部光学医療診療部 2九州大学大学院病態機能内科学 3川崎医科大学消化器内科Ⅱ 4九州大学大学院形態機能病理学

ページ範囲:P.1380 - P.1390

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要旨 対象と方法:20mm以下の大腸sm癌を対象とし,(1)大きさ(10mm以下と11mm以上)と深達度(sm-slight[sm-s]とsm-massive[sm-m])で4群に分類し,注腸X線所見を比較した.(2)sm-m[≦10mm]群のX線・内視鏡所見を対比した.(3)垂直浸潤距離を側面硬化像の程度で比較した.結果:(1)正面像ではsm-m[≦10mm]群でバリウム斑の陽性率(82.4%)が他の3群(sm-s[≦10mm]群25.0%;sm-s[>10mm]群26.3%;sm-m[>10mm]群57.1%)より高く,平滑な辺縁隆起を伴う傾向を認めた.側面像では角状ないし弧状変形をsm-m[≦10mm]群の81.8%,sm-m[>10mm]群の82.4%に認めたがsm-s[≦10mm]群では11.1%,sm-s[>10mm]群では21.4%であった.(2)sm-m[≦10mm]群では隆起の性状と陥凹の有無は内視鏡所見との一致率が高かったが,陥凹の性状は乖離する病変が多かった.(3)弧状変形陽性病変の垂直浸潤距離は角状変形陽性ないし変形陰性病変よりも有意に大きかった.以上より,中心陥凹の有無と平滑な辺縁隆起,および側面変形は10mm以下のsm癌でも深部浸潤を示唆する所見と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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