icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻11号

2001年10月発行

今月の主題 sm massive以深に浸潤した10mm以下の大腸癌

主題

大腸sm massive癌(大きさ10mm以下)の内視鏡診断―臨床病理学的見地から

著者: 為我井芳郎1 工藤進英1 池原伸直1 木暮悦子1 原栄志1 大塚和郎1 坂下正典1 竹内司1 梅里和哉1 杉安保宣1 小幡まこと1 工藤由比1 木俣博之1 山野泰穂2 今井靖2 前田聡2 工藤智洋2 高見啓央2 大須賀達也2 小笠原均2

所属機関: 1昭和大学横浜市北部病院消化器センター 2秋田赤十字病院胃腸センター

ページ範囲:P.1391 - P.1401

文献概要

要旨 筆者らが経験した経験した大腸sm癌368病変のうち,大きさ10mm以下のsm massive癌,すなわちsm1c以深の癌は53病変(14.4%)であった.以上を対象として,内視鏡診断の観点から臨床病理学的に検討した.その結果,sm massive癌の79.1%,sm2, 3癌の81.3%が陥凹型でⅡc型早期癌との関連が示唆された.また,陥凹型sm massive癌はtransmuralな増殖細胞帯の分布,ならびにdiffuseなp53発現様式を示し隆起型とは異なる特性を有すると考えられた.sm1a・b癌とsm1c~3癌の内視鏡的鑑別診断では,隆起型では病巣表面における粗糙な平坦局面,内視鏡的硬さ,緊満感,およびV型pitの所見,陥凹型では発赤,内視鏡的硬さ,緊満感,空気変形,陥凹部の不整凹凸,陥凹辺縁の明瞭な段差,およびⅢs型ないしⅤ型pitの所見が統計学的に有用であった.したがって,10mm以下のsm massive癌の内視鏡診断では陥凹局面等の詳細な通常観察の延長上で,特にⅢs型およびⅤ型pitの拡大内視鏡・pit pattern診断を一連のプロセスとして行うことが臨床的に重要と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら