今月の主題 sm massive以深に浸潤した10mm以下の大腸癌
主題
最大径10mm以下の大腸sm massive以深癌の内視鏡診断
著者:
永田信二1
田中信治1
桑井寿雄2
田村忠正2
岡志郎1
高橋亮史2
小野川靖二2
森原正雄2
海生英二郎2
國弘真己2
北台靖彦1
隅井雅晴2
吉原正治3
茶山一彰2
嶋本文雄4
春間賢5
所属機関:
1広島大学医学部光学医療診療部
2広島大学医学部第1内科
3広島大学保健管理センター
4広島大学医学部病理部
5川崎医科大学消化器内科Ⅱ
ページ範囲:P.1403 - P.1415
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要旨 最大径10mm以下のsm massive以深(400μm以上)に浸潤した大腸癌の通常内視鏡による深達度診断能について検討した.sm400μm以深癌の指標として,隆起型で緊満感,表面不整・粗糙所見,表面型で表面粗糙,陥凹の存在・深さ・形状(類円形)が有用であった.sm 1,500μm以深癌の指標としては,隆起型で上記所見に加えてひだ集中所見,表面型で陥凹の存在・深さ・形状(類円形)所見が有用であった.また,径11mm以上の病変との比較では,sm massive以深に浸潤した隆起型癌は大きさ別に検討しても内視鏡像に有意差は認めなかったが,表面型癌では,径10mm以下のsm massive以深癌と比較して径11~30mmのsm massive以深癌で壁硬化像,表面凹凸不整,粗糙,びらん,陥凹内白苔の所見を有意に高率に認めた.径10mm以下の病変のうち,通常内視鏡観察施行後に拡大観察を施行しⅤ型pit patternを呈した病変の深達度診断能について検討したが,通常および拡大観察の診断能に有意差は認めなかった.