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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻12号

2001年11月発行

文献概要

今月の症例

陥凹型微小早期十二指腸癌の1例

著者: 郷田憲一1 多田修治1 藤本貴久1 須古博信1 荒井光広2 神尾多喜浩3

所属機関: 1済生会熊本病院消化器病センター 2済生会熊本病院外科 3済生会熊本病院病理

ページ範囲:P.1462 - P.1465

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 〔患 者〕69歳,男性.1995年より特発性血小板減少性紫斑病(idiopathic thrombocytopenic purpura;以下ITP)および糖尿病の診断で,当院内科外来にて経過観察中であった.2000年7月便潜血陽性を指摘され,上部消化管内視鏡検査にて十二指腸第3部に陥凹性病変を認めた.ITPによる出血傾向があるため生検は施行できなかった.ITP治療のための脾摘術と陥凹性病変に対する十二指腸部分切除を目的に,2001年1月5日当科入院となった.臨床検査成績では血小板数の著明な低下(4.0×104/μl)を認めた.

 〔上部消化管内視鏡所見〕下十二指腸角より2~3cm肛門側の十二指腸第3部皺襞上に,約5mm大で辺縁隆起を伴う発赤調の陥凹性病変を認めた(Fig. 1a,b).色素撒布像にて辺縁は不整で陥凹内の一部に微細顆粒状の変化がみられた(Fig. 1c,d).本症例はITPを合併しており,出血のリスクが高いと判断し生検を断念した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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