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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻12号

2001年11月発行

文献概要

今月の主題 十二指腸の小病変 主題

Crohn病十二指腸病変の内視鏡所見―頻度と形態学的特徴

著者: 頼岡誠1 八尾恒良1 櫻井俊弘1 八尾建史1 真武弘明1 津田純郎1 畠山定宗2 松井敏幸2 岩下明徳3

所属機関: 1福岡大学筑紫病院消化器科 2畠山内科胃腸科クリニック 3福岡大学筑紫病院病理部

ページ範囲:P.1481 - P.1487

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要旨 Crohn病に伴う十二指腸病変を(a)陥凹性病変(びらん,潰瘍),(b)隆起性病変,(c)細敷石像様外観に分け十二指腸球部,上十二指腸角近傍,十二指腸第2部の部位別における各病変の出現頻度,縦列傾向の有無を調べた.(1)Crohn病患者215例中151例(70.2%)に(a)~(c)いずれかの病変を認めた.部位別では球部:32.6%,上十二指腸角近傍:66.3%,第2部:40.0%に病変がみられた.(2)各病変の頻度を部位別にみてみると(a)陥凹性病変(びらん):球部14.9%,上十二指腸角近傍32.5%,第2部36.3%,(潰瘍):球部2.3%,上十二指腸角近傍2.5%,第2部0.9%,(b)隆起性病変:球部15.3%,上十二指腸角近傍23.8%,第2部3.3%,(c)細敷石像様外観:球部11.2%,上十二指腸角近傍27.5%,第2部0%であった.(3)病変の性状は1例の潰瘍とタコイボびらん様の病変を除けば他の疾患にはみられない特徴的な様相を示した.上部消化管検査によるCrohn病の診断には,Crohn病の十二指腸病変の特徴を把握し,また上十二指腸角近傍に高率に病変がみられたことから球部,第2部に加え上十二指腸角近傍も慎重に観察する必要があると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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