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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻12号

2001年11月発行

文献概要

今月の主題 十二指腸の小病変 主題

非腫瘍性十二指腸小病変の診断―Behçet病

著者: 島岡俊治1 西俣寛人1 西俣嘉人1 大井秀久1 新原亨1 仁王辰幸1 松田彰郎1 田代光太郎1 鳥丸博光1 大山勲2

所属機関: 1南風病院消化器科 2大山外科胃腸科

ページ範囲:P.1489 - P.1497

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要旨 Behçet病の消化管病変の存在部位,形態,病理所見,臨床経過を検討した.腸型Behçet病7例中,3例において十二指腸球部にびらんがみられ,1例において凹凸不整の粘膜が観察された.生検では粘膜固有層に慢性の炎症所見がみられるのみで血管炎の所見はみられなかった.抗潰瘍療法は効果がなく,ステロイド療法が著効した.Behçet病の十二指腸病変は他の消化管病変同様,びらん周囲の発赤や浮腫などの所見に乏しい特徴を有していた.腸型Behçet病の初発症状は右下腹部痛,下血,下痢などが主なものであるが,上部消化管の症状を主訴とするものがある.食道,胃,十二指腸に多発性のびらんまたは周囲の再生上皮に乏しい潰瘍性病変がみられるときはBehçet病の可能性も考え,詳細な問診や皮膚,眼病変の検索,下部消化管検索などを行う必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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