icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻12号

2001年11月発行

文献概要

今月の主題 十二指腸の小病変 主題

胃型被覆上皮を伴った十二指腸隆起性病変の診断

著者: 中井久雄1 田辺聡1 小泉和三郎1 木田芳樹1 今泉弘1 木田光広1 三橋利温1 大井田正人1 西元寺克禮1 三富弘之2

所属機関: 1北里大学東病院消化器内科 2北里大学東病院病理

ページ範囲:P.1499 - P.1506

文献購入ページに移動
要旨 十二指腸球部の隆起性病変で,組織学的に胃型被覆上皮を伴う206例について,胃底腺組織をもつ狭義の異所性胃粘膜型と,それをもたない胃型被覆上皮のみの胃上皮化生型に分け,内視鏡的所見の特徴からこれらの分類を行った.形態的特徴所見より球状隆起散在型,集簇隆起型,びらん隆起型,顆粒状隆起型の4型に分類した.集簇隆起型を呈するのは異所性胃粘膜型であり,びらん隆起型と顆粒状隆起型を呈するのは胃上皮化生型であった.球状隆起散在型を呈するものは両方にみられ,通常観察だけでは診断が困難だった.メチレンブルー染色法を行うと異所性胃粘膜型は境界明瞭の完全な不染となり,胃上皮化生型は境界不明瞭の淡染となった.以上より,形態的特徴所見にメチレンブルー染色法を併用することで,迷入によると考えられる異所性胃粘膜型と,炎症による変化と考えられる胃上皮化生型の鑑別が可能であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?