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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻12号

2001年11月発行

文献概要

今月の主題 十二指腸の小病変 主題

十二指腸悪性リンパ腫の臨床病理学的特徴

著者: 中村常哉1 鈴木隆史1 松浦昭1 大橋計彦1 横井太紀雄2 中村栄男2

所属機関: 1愛知県がんセンター消化器内科 2愛知県がんセンター遺伝子病理診断部

ページ範囲:P.1529 - P.1540

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要旨 十二指腸悪性リンパ腫のうちMALTリンパ腫および濾胞性リンパ腫の臨床病理学的特徴について自験例8例および報告例36例について検討した.それらの特徴は,解剖学的発生部位と臨床病理学的所見が密接に相関することである.球部では肉眼型として隆起性病変が多いものの,胃のMALTリンパ腫と同様な所見を呈する.H. pylori除菌療法に反応する例が多く,胃のMALTリンパ腫の延長上の性格を有するものと考えられる.一方,球部から下行脚あるいは下行脚では,白色顆粒状隆起を呈するものが多く除菌療法に反応しない.自験例ではそれらの組織型は濾胞性リンパ腫である.十二指腸悪性リンパ腫は発生する場の違いによりH. pylori関連の球部病変(MALTリンパ腫)とH. pylori非関連の下行脚以遠の病変(濾胞性リンパ腫)に病態が分かれるものと思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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