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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻12号

2001年11月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

食道病変を中心に発症したアフタ様病変のみのCrohn病の1例

著者: 小畑寛純1 橋本和明2 天方義郎1 木村早苗1 坂本健一郎1 塩見毅彦1 中條忍1

所属機関: 1大阪府済生会吹田病院消化器内科 2大阪府済生会吹田病院検査科

ページ範囲:P.1565 - P.1571

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要旨 患者は24歳,女性.咽頭痛,嚥下時の胸のつかえ感と発熱を主訴に来院した.上部消化管内視鏡検査で食道全域に及ぶアフタ様病変を認め,下部消化管内視鏡で回腸終末部および大腸全域に微小なアフタ様病変を認めた.いずれの生検組織にも非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認め,食道病変を中心に発症したアフタ様病変のみのCrohn病と診断した.入院後,栄養療法を含め無治療で症状は消失し,また食道のアフタ様病変は治癒傾向を示したが,大腸のアフタ様病変はほとんど変化せず現在まで経過している.臨床経過から考えて,単純ヘルペス感染症が本例の発症の契機になった可能性も示唆され,アフタ様病変のみのCrohn病の経過を考えるうえで,非常に興味あるまれな症例である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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