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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻13号

2001年12月発行

文献概要

今月の主題 早期胃癌診療の実態と問題点 主題

早期胃癌のスクリーニング―ペプシノーゲン法と間接X線検査

著者: 八巻悟郎1 志賀俊明1 長浜隆司1 中島寛隆1 野本一夫1 仲谷弘明1

所属機関: 1東京都がん検診センター消化器科

ページ範囲:P.1591 - P.1597

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要旨 胃集団検診は間接X線検査による胃検診が定番であった.近年,X線検査の代わりに血液検査であるペプシノーゲン(以下PG)検査を行う市区町村が増えている1).PGのcut-off値は通常PGⅠが70μg/l以下かつPGⅠ/Ⅱ比が3以下の組み合わせでこの値を基準値としている2).(1)胃集団検診を受診した50歳以上の男性4,151人にPGを測定しかつ内視鏡検査を行ったところ,陽性者は43%の1,785人であり,この中に癌は41例(早期胃癌37例,進行癌4例)含まれ,陽性反応適中度は2.3%であった.また,53%の陰性者2,366人中には早期胃癌の14例が含まれ,癌の含まれる確率は0.6%であった.(2)PG(+)とPG(-)例を比較すると,部位,大きさ,深達度では統計学的に有意差はみられなかったが,組織型の比較だけ有意差がみられPG(-)例は未分化型に多かった.(3)基準値を用いている施設間で胃癌の発見率を比べると,0.26~1.4%と様々であった1).これは“内視鏡検査の質”の差を物語っている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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