icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻13号

2001年12月発行

文献概要

今月の主題 早期胃癌診療の実態と問題点 主題

EMR適応早期胃癌における診断の実態と問題点―X線の立場から

著者: 細井董三1 水谷勝1 小田丈二1 大浦通久1 入口陽介1 小林宏寿1 中村尚志1 益満博1 斉藤雄介1 中井呈子1 山田耕三1 岡田利邦1 山村彰彦2 浜田勉3

所属機関: 1多摩がん検診センター消化器科 2多摩がん検診センター検査科 3社会保険中央総合病院内科

ページ範囲:P.1599 - P.1613

文献購入ページに移動
要旨 術前にX線,内視鏡の両検査が行われ,切除標本の病理組織学的検査が済んでいる早期胃癌278例296病変を対象に,EMR適応・非適応の決定におけるX線診断の有用性の実態を分析し,以下のような結果が得られた.①EMR適応早期胃癌102病変(m:101病変,sm1:1病変)に対してX線は94病変,92.2%を適応と診断しえていたが,内視鏡の96病変,94.1%にはやや及ばなかった.しかし,②非適応sm癌107病変(sm1:29病変,sm2, 3:78病変)を適応病変と誤診した症例は内視鏡の15病変,14.0%に対してX線は7病変,6.5%であり,X線のほうが勝っていた.特にsm2, 3病変では内視鏡が11病変,14.1%を適応と誤診していたのに対して,X線は3病変,3.8%にとどまった.以上からX線診断は早期胃癌のEMR適応に関して,適応よりも非適応の決定により重要な役割を果たしていた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?