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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻13号

2001年12月発行

今月の主題 早期胃癌診療の実態と問題点

主題

―治療面からみた実態と問題点―早期胃癌の腹腔鏡下切除の適応基準

著者: 古川俊治1 大谷吉秀1 北川雄光1 吉田昌1 久保田哲郎1 熊井浩一郎1 北島政樹1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部外科

ページ範囲:P.1639 - P.1645

文献概要

要旨 早期胃癌に対する腹腔鏡下胃局所切除術の原則的適応は,①リンパ節転移の可能性がほとんどなく,②EMRでは安全かつ確実な切除が達成されない可能性のある病変である.当科では,開腹胃切除例におけるリンパ節転移の解析結果に基づき,①肉眼的粘膜癌,②隆起性病変では長径25mm以下,③陥凹性病変では長径15mm以下でUl(-),という基準を用いてきた.一方,腹腔鏡補助下遠位胃切除術の原則的適応は,リンパ節転移の可能性が第1群および一部の第2群リンパ節に限られた病変であるが,一定した見解は必ずしも得られていなかった.日本胃癌学会ガイドラインでは,早期胃癌に対する腹腔鏡下手術は臨床研究に分類され,適応基準が示された.早期胃癌に対し腹腔鏡下手術を行う場合には,日常診療として推奨される開腹縮小手術,および臨床研究として適応のあるEMRの選択機会を患者に保障するよう,各方法の長所・短所を十分説明することが必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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