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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻13号

2001年12月発行

文献概要

今月の主題 早期胃癌診療の実態と問題点 主題

―治療面からみた早期胃癌の実態と問題点―EMR後遺残再発病変の治療

著者: 川口実12 小熊一豪2 三坂亮一2 森安史典2 山崎達之3 鈴木敬二3 高木融3 小柳泰久3 若菜洋一4 清水亨4 芹沢博美4 海老原善郎4

所属機関: 1国際医療福祉大学・山王病院 2東京医科大学第4内科 3東京医科大学第3外科 4東京医科大学病院病理

ページ範囲:P.1647 - P.1655

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要旨 早期胃癌EMR後遺残再発病変に対する治療方針と治療法およびその成績について述べた.EMRは235例266病巣に行い,完全切除率は64.7%である.不完全切除94病巣(“遺残癌”)に対する治療方法は追加内視鏡的治療69病巣,外科的切除15病巣,未治療10病巣である.追加内視鏡的治療の有効率は92.8%であった.追加内視鏡的治療は深達度Mで,比較的遺残範囲の狭い病巣に対し行った.外科的切除は広範なMの遺残とSM1-β以深の病巣に対し行った.遺残再発癌は5病巣(5.3%,5/94)認めたが,4病巣は再EMRで切除した.他部位再発癌のうち外科的切除の適応となったものが2例あった.早期胃癌に対するEMR治療では,EMR前の慎重な診断,不完全切除病巣に対する積極的追加治療および厳重な経過観察が重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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