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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻13号

2001年12月発行

文献概要

症例

Helicobacter pylori除菌療法を行い消退した直腸MALTリンパ腫の1例

著者: 井上文彦1 東克己1 西川浩史1 浅越健助1 大谷由利子1 三宅直樹1 瀬古修二1 西田修1 水本孝1 雑賀興慶2

所属機関: 1大津赤十字病院消化器科 2大津赤十字病院病理部

ページ範囲:P.1683 - P.1686

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要旨 Helicobacter pyloriに対する除菌療法を行い消退した直腸原発のMALTリンパ腫の1症例を経験した.患者は67歳の女性.大腸癌検診で便ヒトヘモグロビン陽性を指摘された.大腸内視鏡検査で直腸下部(Rb)に径11mm大の隆起性病変を認めた.生検病理組織学的にはcentrocyte-like cellの浸潤増殖とlymphoepithelial lesionを認め,またサザンブロット法で免疫グロブリン重鎖遺伝子の再構成を認め,MALTリンパ腫と診断した.超音波内視鏡では第3層に主座を持つ低エコー腫瘤を呈した.胃のH. pylori陽性であったため除菌療法を行ったところ,除菌は成功し直腸MALTリンパ腫は次第に消退した.本治療は胃MALTリンパ腫のみならず直腸MALTリンパ腫にも試みるべき治療法と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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