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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻2号

2001年02月発行

文献概要

今月の主題 Crohn病診断基準の問題点 主題

Crohn病診断基準の問題点―臨床の立場から

著者: 織内竜生1 樋渡信夫1 高橋成一1 高木承1 熊谷進司1 岩渕正広1 根来健一1 尾花伸哉1 大楽紀子1 木内喜孝1 舟山裕士2 内藤広郎2 佐々木巌2 下瀬川徹1

所属機関: 1東北大学医学部消化器内科 2東北大学医学部胃腸外科

ページ範囲:P.135 - P.147

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要旨 Crohn病(CD)の診断基準改訂案の問題点を明らかにするために,当科初診時に一連の検査で確診がつかなかったCD10例の臨床像の検討を行った.その内訳は,臨床的にCDを疑わずに小腸検査が施行されなかった3例,前医での潰瘍性大腸炎の診断を鵜呑みにして深部大腸~小腸の検索が不十分だった4例,消化管にアフタ・小潰瘍を有し,原因不明熱あるいは肛門部病変を認めるものの非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認めない3例であった.難治性痔瘢などの肛門部病変はCDに高率に合併する最も特徴的な病態の1つで,初発症状としても多くみられるため,診断基準への復活を検討してもよいと思われた.特に初期病変のみのCDの早期診断に寄与する可能性が示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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