icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻2号

2001年02月発行

今月の主題 Crohn病診断基準の問題点

主題

Crohn病診断基準の問題点―臨床の立場から

著者: 長沼誠1 日比紀文1 緒方晴彦1 井上詠1 細田泰雄1 岩男泰1 石井裕正1 今井裕2 杉野吉則2 向井萬起男3

所属機関: 1慶應義塾大学医学部内科 2慶應義塾大学医学部放射線診断科 3慶應義塾大学医学部病理診断部

ページ範囲:P.149 - P.158

文献概要

要旨 Crohn病が疑われたが,確定診断が困難であったアフタ性大腸炎症例の臨床経過を検討し,現在のCrohn病診断基準における問題点を探った.Crohn病診断基準の副所見を有する疑診例では7例中5例,副所見を持たない慢性アフタ性大腸炎例では8例中1例がその後の経過観察によりCrohn病の確診を得られており,現行の診断基準の有用性が確認された.確定診断の根拠として非乾酪性類上皮細胞肉芽腫の検出によるものが多数を占めていたが,生検個数あたりの肉芽腫検出率は連続切片を作製しても必ずしも高くなかった.また,Crohn病確定診断が得られた5症例のうち4例は何らかの肛門症状の既往を持ち,2例では経過中に再び肛門病変の出現を認めた.初期病変から成るCrohn病の確定診断には,肉芽腫検出率を向上させる工夫や他の補助診断法の開発,診断基準の項目として肛門病変の再検討が必要と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら