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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻2号

2001年02月発行

文献概要

今月の主題 Crohn病診断基準の問題点 主題

Crohn病診断基準の問題点―病理の立場から生検における非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を中心に

著者: 蒲池紫乃1 岩下明徳1 八尾恒良2 櫻井俊弘2

所属機関: 1福岡大学筑紫病院病理部 2福岡大学筑紫病院消化器科

ページ範囲:P.175 - P.182

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要旨 Crohn病254例の大腸および上部消化管のルーチン生検標本を用いて,本症の診断基準(改訂案)の主要所見に取り上げられている非乾酪性類上皮細胞肉芽腫(以下,肉芽腫と略)の検出(陽性)率を中心に,病理形態学的立場から検討した.肉芽腫陽性率は,初回生検では43.3%(大腸:33.9%,上部消化管:20.9%)であり,複数回生検を重ねると56.7%(大腸:42.1%,上部消化管:30.7%)と上昇した.また病変別には,大腸の活動期病変からの生検で最も陽性率(25.0%)が高かった.以上から,肉芽腫だけに依存する本症の生検診断には限界があることを指摘し,合わせてその診断率向上には類上皮細胞集団(cluster),組織球の小集簇巣,focally enhanced gastritisなど本症に特徴的組織所見を加味した診断基準が必要であると強調した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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