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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻2号

2001年02月発行

文献概要

今月の主題 Crohn病診断基準の問題点 主題研究

虫垂・盲腸Crohn病の病理学的特徴と鑑別診断

著者: 渡辺英伸1 岩下明徳2 味岡洋一1 西倉健1 橋立英樹1 鬼島宏3

所属機関: 1新潟大学医学部第1病理 2福岡大学筑紫病院病理部 3東海大学医学部病態診断系病理学

ページ範囲:P.183 - P.194

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要旨 虫垂開口部の盲腸に敷石像(+炎症性ポリポーシス)を有する9例はいずれも腫瘍と術前診断されていたが,病理学的にはCrohn病(CD)確診6例,CD疑診3例であった.盲腸CDのほとんどは虫垂CDに続発するのではなく,虫垂・盲腸に同時発生した病変と推定された.肉芽腫性虫垂炎と診断された11例のうち,リンパ球集簇巣から成る全層性炎,非乾酪性類上皮細胞肉芽腫,これらによる壁肥厚の所見から原発性虫垂CDと診断されたものが3例,一見,正常に見える虫垂に非乾酪性類上皮細胞肉芽腫が(多数)出現し,CDが疑われた2例,残りの6例は急性虫垂炎や虫垂の急性憩室炎に1~6個の肉芽腫が出現したものであった.原発性虫垂CDは小腸や大腸型CDと同様の特徴的組織像を呈しており,敷石像を呈する盲腸CDを合併することがわかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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