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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻2号

2001年02月発行

今月の主題 Crohn病診断基準の問題点

主題症例

腸結核との鑑別が問題となったCrohn病の1症例

著者: 清水誠治1 木本邦彦1 菅田信之2 奥山祐右2

所属機関: 1JR大阪鉄道病院消化器内科 2京都第一赤十字病院消化器科

ページ範囲:P.195 - P.200

文献概要

要旨 31歳,男性が下痢,腹痛,体重減少を主訴に入院した.大腸内視鏡では回盲弁の全周性潰瘍による狭窄と回盲弁周囲の多発性潰瘍がみられ,一部の潰瘍の横並び配列から腸結核を考えたが,生検で肉芽腫は証明できなかった.注腸X線では盲腸の狭窄,回盲弁周囲の多発性潰瘍,回腸終末部の多発性潰瘍・びらんと狭窄,および口側回腸にも潰瘍がみられたが縦走潰瘍や敷石像と読影できなかった.結核菌が証明されずPPD皮内反応も陰性であった.中心静脈栄養のみで症状が改善しないためステロイド治療を開始したところ速やかに病状は改善した.本例は診断基準に適合しないCrohn病症例と考えられた.非典型例を減らす方向での診断基準の見直しが望まれる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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