icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻2号

2001年02月発行

今月の主題 Crohn病診断基準の問題点

主題症例

潰瘍性大腸炎の臨床像が先行したCrohn病の1例

著者: 大井秀久1 西俣嘉人1 西俣寛人1 松田彰郎1 島岡俊治1 仁王辰幸1 新原亨1 田代光太郎1 末永豊邦2 夏越祥次2 児玉真由美3 谷口鎌一郎4

所属機関: 1鹿児島共済会南風病院消化器科 2鹿児島共済会南風病院外科 3藤元早鈴病院消化器科 4鹿児島大学医学部第2内科

ページ範囲:P.201 - P.209

文献概要

要旨 患者は14歳の男性(1976年来院)で,主訴は1975年よりの下痢,粘血便.1976年の注腸X線検査で直腸から下行結腸まで連続性,びまん性の浅い潰瘍性病変を認め,潰瘍性大腸炎(以下UC)と診断された.発症3年5か月後の画像検査で,S状結腸,下行結腸にびまん性の潰瘍性病変の中に縦走潰瘍などの縦軸要素の所見を認めた.約8年間内科治療を行ったが,難治性であったため12年8か月後に大腸亜全摘出術が施行され,その摘出標本の上行結腸にはびまん性病変,S状結腸,下行結腸には多発する縦走潰瘍とその瘢痕像がみられた.15年5か月後に下痢が出現し,検査で小腸にCrohn病(以下CD)に典型的な縦走潰瘍を認めた.2年後,出血のために小腸部分切除が施行され,摘出標本の肉眼所見,病理組織所見は,縦走潰瘍や全層性炎症などCDに典型的な所見だった.本症例は経過中に病変の形態が変化し,発症時のUCから非典型的なCDと診断が変更された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら