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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻2号

2001年02月発行

文献概要

今月の主題 Crohn病診断基準の問題点 主題症例

輪状潰瘍の合併を認めた小腸Crohn病の1例

著者: 中野浩1 中村正克1 伊東逸朗1 三沢美帆1 松浦良徳1 長坂光夫1 斎藤知規1 鈴木一男1 宇野浩之1 外間政希1 神谷雅人1 保原怜子1 高濱和也1 渡邊真1 花井恒一2 宮川秀一2 黒田誠3

所属機関: 1藤田保健衛生大学消化器内科 2藤田保健衛生大学消化器外科 3藤田保健衛生大学病理科

ページ範囲:P.217 - P.222

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要旨 患者は36歳,男性で腹部疝痛で来院し,イレウスの診断で入院した.小腸X線検査で回腸に2か所の狭窄を認め,この狭窄の間にも輪状潰瘍の変形を認めた.狭窄は短く,対称性で,始めに腸結核も疑った.しかし,肛門側の狭窄には片側性の所見もあり術前診断はCrohn病であった.切除標本では肛門側の狭窄部には縦走潰瘍とcobblestone像が認められた.そして,その口側の拡張した腸管の部位には輪状潰瘍が認められた.そして,最も口側の狭窄部には地図状潰瘍が認められた.病理組織学的にはCrohn病と診断されたが輪状潰瘍,地図状潰瘍,拡張した腸管部の萎縮瘢痕帯の所見は新しいCrohn病の診断基準に当てはまらない所見であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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