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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻2号

2001年02月発行

文献概要

今月の主題 Crohn病診断基準の問題点 主題症例

初回発作時に潰瘍性大腸炎様所見を呈し非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認め,6年間経過を追えた1例

著者: 石本結子1 渡辺英伸2 味岡洋一2 本間照1 杉村一仁1 土屋淳紀1 石塚基成1 小林正明1 内田守昭3 成澤林太郎1 市田隆文1 朝倉均1

所属機関: 1新潟大学医学部第3内科 2新潟大学医学部第1病理 3南部郷総合病院内科

ページ範囲:P.223 - P.229

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要旨 患者は23歳,男性.17歳時,水様下痢・下血が出現し,大腸内視鏡検査(CF)で白点を伴う浮腫状の軽度発赤粘膜を直腸から盲腸までびまん性に認めた.潰瘍性大腸炎(UC),全大腸炎型と診断し,salazosulfapyridine(SASP),ステロイド投与にて緩解した.4年後に再燃し,その後はステロイド減量に伴い再燃を繰り返した.再燃後のCFでは,直腸からS状結腸に小びらんの多発を伴う連続性びまん性の発赤粗ぞう粘膜を認めたが,下行結腸から盲腸には病変を認めず,直腸・S状結腸炎型でUCが再燃したものと考えられた.しかし,回盲弁から終末回腸にかけて,小不整形潰瘍を伴い約2cmが狭窄し,更に健常粘膜を介して狭窄部より約10cm口側に3/4周性の不整形潰瘍を認めた.組織所見では,直腸からS状結腸はUC,終末回腸はCrohn病(CD)に合致するものであった.内視鏡的,病理学的に両疾患の合併も疑われる興味深い症例と考え報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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