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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻3号

2001年02月発行

特集 消化管癌の深達度診断

総論

3.病理からみた比較深達度診断

著者: 石黒信吾1 春日井務1 真能正幸1 西沢恭子1 野瀬邦憲1

所属機関: 1大阪府立成人病センター病理検査科

ページ範囲:P.261 - P.268

文献概要

要旨 消化管(食道,胃,大腸)の深達度診断の違いを検討するために,各臓器の構造の違い,癌の組織型の違い,肉眼像の違いを検討した.構造の違い:食道は,上皮が重層扁平上皮で,脈管に富む粘膜固有層の幅が広い.胃は,腺上皮で部位によって異なる上皮を有し加齢とともに変化し,粘膜固有層が狭い.大腸は,単一管状腺管から成る上皮で,粘膜固有層が狭い.癌の組織型と深達度:食道は,扁平上皮癌で,肉眼的に隆起性が多く,深達度が高さによって推定できる.胃は,腺癌で,高分化から低分化までみられ,消化性潰瘍がある点で,他の臓器とは異なった深達度診断が必要である.大腸は,高分化腺癌で,隆起性の場合は腺腫を合併するために深達度診断が困難であるが,表面型の場合は,消化性潰瘍がない点を除いては,胃の分化型とほぼ同様の考えで,形態とpit patternを併用することによって深達度診断が比較的容易である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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