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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻3号

2001年02月発行

特集 消化管癌の深達度診断

総論

4.深達度診断における生検診断の意義

著者: 藤田浩1 大倉康男2 八巻悟郎3

所属機関: 1東京医科歯科大学病因・病理学 2埼玉県立がんセンター臨床病理部 3東京都がん検診センター消化器科

ページ範囲:P.269 - P.275

文献概要

要旨 消化管浸潤癌の生検標本から深達度診断が可能かどうかについて検討した.浸潤癌と診断された症例は,食道癌21病変中8病変(38%),胃癌120病変中40病変(33%),大腸癌34病変中16病変(47%)と低率であった.しかし,深達度別にはsm以深の食道癌,大腸進行癌は浸潤癌と生検診断される割合が比較的高い結果であった.肉眼型は,食道癌では表在平担型,胃癌では表面型と3型,大腸癌では隆起型病変で浸潤癌と診断されにくい傾向であった.また,いずれの臓器も生検標本では浸潤癌であることが診断できても深達度を推定することは困難であった.しかし,食道癌ではm癌とsm以深の癌の区別,また,大腸癌ではsm癌と進行癌のおおよその区別は可能であると思われた.浸潤癌と生検診断されなかった症例の検討から,詳細な肉眼観察に基づいた診断,最深部からの正確かつ十分な量の標本採取が必要であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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