icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻3号

2001年02月発行

文献概要

特集 消化管癌の深達度診断 各論 2.胃癌の深達度診断

2)内視鏡像からみた深達度診断

著者: 小野裕之1 吉田茂昭2

所属機関: 1国立がんセンター中央病院内視鏡部 2国立がんセンター東病院

ページ範囲:P.334 - P.340

文献購入ページに移動
要旨 胃癌の内視鏡的な深達度診断の精度は著しく向上したが,いまだ十分とは言い難い.胃癌の内視鏡深達度診断について概説した.隆起型では一般的に進行癌は少ないが,壁の硬化像や粘膜下膨隆像,表面のびらん像などがsm以深の癌を疑う根拠となる.陥凹型早期胃癌の基本形はⅡcであり,潰瘍性変化を伴う場合と,伴わない場合の二者に分けて考える.深達度指標として,①陥凹面の色調,②ひだの所見,③壁の厚み・硬化像,④陥凹面の構造,⑤辺縁の隆起・膨隆像,⑥病変の大きさ,が挙げられる.現時点での筆者らのprospectiveな診断精度について評価を加えたところ,sm癌を正しくsm癌と診断できたものは66%にすぎず,特に不良であった.直感的な診断のみに頼らず,診断可能な指標を正しく再確認しながら着実に診断を進める態度が不可欠である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?