胃と腸36巻3号

2001年02月発行

特集 消化管癌の深達度診断

各論 2．胃癌の深達度診断

3）超音波内視鏡からみた深達度診断

著者： 長南明道¹ 三島利之¹ 安藤正夫¹ 田村知之¹ 熱海稔¹ 望月福治¹

所属機関： ¹JR仙台病院消化器内視鏡センター

ページ範囲：P.341 - P.350

文献概要

要旨　治療方針決定のための深達度診断におけるEUSの役割を内視鏡診断と比較検討した．その結果，EUSはUl(＋)病巣において，Ulの深さの診断に有用であったが，肉眼型別，部位別検討では内視鏡と大差なかった．一方，内視鏡診断不一致でEUS正診の症例が20病巣（5.9％）存在し，真のEUS有用例と考えられた．これらの病巣を検討した結果，EUSは内視鏡でSM2～MPと診断された病巣において，早期胃癌では陥凹型で内視鏡による深読みを，進行胃癌ではⅡC様進行胃癌で内視鏡による浅読みを補正するのに有用であった．