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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻3号

2001年02月発行

特集 消化管癌の深達度診断

各論 3.大腸癌の深達度診断

4)MRIからみた直腸癌の深達度診断

著者: 今井裕1 杉野吉則1 湯浅祐二1 栗林幸夫1 渡邊昌彦2 北島政樹2 向井万起男3

所属機関: 1慶應義塾大学医学部放射線科 2慶應義塾大学医学部外科 3慶應義塾大学医学部病理診断部

ページ範囲:P.403 - P.411

文献概要

要旨 近年の直腸癌に対する治療法の進歩は,正確な腫瘍の解剖学的位置と深達度診断を必要としている.直腸内コイルを用いたMR画像は,T2強調像にて正常の腸管壁を表層の粘液および腸管周囲の脂肪織を含めて5~6層に分けて描出でき,粘膜層は低信号,粘膜下層は高信号,固有筋層は低信号を示した.したがって,腫瘍の壁内浸潤の診断が可能であり,特に粘膜下層に予め生食水を局注することによりm癌,sm癌とmp癌との鑑別の成績が向上した.また,MR画像は,腫瘍のわずかな壁外浸潤の診断能にも優れており,T2強調像では低信号を示す外縦筋層の断裂として描出された.直腸内コイルを用いたMR画像は,直腸癌の治療法の選択において重要な情報を提供できると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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