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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻3号

2001年02月発行

特集 消化管癌の深達度診断

主題症例 それぞれの検査・診断法が,深達度診断に特に有用であった症例

X線的にⅡcの周辺粘膜下隆起が深達度診断に有用であった早期胃癌の1症例

著者: 中野浩1 中村正克1 伊東逸朗1 三沢美帆1 松浦良徳1 長坂光夫1 斎藤知規1 鈴木一男1 宇野浩之1 外間政希1 神谷雅人1 保原怜子1 高濱和也1 渡邊真1

所属機関: 1藤田保健衛生大学消化器内科

ページ範囲:P.451 - P.454

文献概要

要旨 患者は42歳,女性.胃検診のX線検査で異常所見を指摘され,精査のために来院した.内視鏡検査で幽門前庭部前壁にⅡc病変を認め,生検診断で印環細胞癌と診断された.精査X線検査で幽門前庭部前壁に不整形の陰影斑の中に顆粒状陰影のみられるⅡC病変を認めた.そして,その陰影斑の周辺にはっきりしない粘膜下隆起様の透亮像を認めた.深達度診断は,この陥凹周囲の透亮像の所見を粘膜下層浸潤の所見と診断した.切除胃では幽門前庭部前壁に2.0×1.7cmの大きさのⅡc病変を認め,病理組織診断では粘膜下層に癌の浸潤を認めた.Ⅱcの陥凹周囲のX線上の透亮像は癌の深達度診断の指標の1つである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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