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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻3号

2001年02月発行

特集 消化管癌の深達度診断

主題症例 それぞれの検査・診断法が,深達度診断に特に有用であった症例

注腸X線像の側面変形が深達度診断に有効であった小型(2cm以下)進行大腸癌の3例

著者: 布部創也1 飯沼元1 蓮池典明1 二村聡1 小林望1 宮川国久1 松江寛人1 森山紀之1 下田忠和2 牛尾恭輔3

所属機関: 1国立がんセンター中央病院放射線診断部 2国立がんセンター中央病院臨床検査部病理 3国立病院九州がんセンター

ページ範囲:P.455 - P.459

文献概要

要旨 小さな(2cm以下)進行大腸癌において側面変形が深達度診断に有効と考えられた3症例を提示するとともに,当センターで切除され,術前のX線検査にて病変の側面変形が評価可能な2cm以下の進行大腸癌44症例と無茎性隆起のsm癌68症例において,X線像と病理組織学的所見の関係を検討した.提示した3症例を含め,進行癌44症例の中に表面・辺縁構造が分葉状を呈する病変はなく,すべてが平滑な結節状の無茎性隆起であった.2cm以下無茎性隆起の浸潤癌112病変のうち,側面変形の評価が可能な88病変において検討すると,角状変形を示すものに進行癌はなく,弧状変形を示す病変の70%が,台形状を示した病変では100%が進行癌であった.大腸癌X線診断においては2cm以下の結節状を呈する無茎性隆起の存在に注意し,側面像において弧状以上の変形を示した場合,進行癌の可能性を強く疑い,治療方針を決定する必要がある.側面変形はこうした病変に対する深達度指標として重要と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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