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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻3号

2001年02月発行

文献概要

特集 消化管癌の深達度診断 主題症例 それぞれの検査・診断法が,深達度診断に特に有用であった症例

粘膜ひだの多方向からの集中像が深達度診断に有用であった小型の大腸癌の1例

著者: 宮川国久1 小林望1 二村聡1 蓮池典明1 飯沼元1 松江寛人1 森山紀之1 中西幸浩2 下田忠和3

所属機関: 1国立がんセンター中央病院放射線診断部 2国立がんセンター中央病院研究所病理部 3国立がんセンター中央病院臨床検査部病理

ページ範囲:P.461 - P.464

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要旨 患者は73歳男性.肛門管癌の既往で定期的に経過観察されていたが,貧血が進行するため精査が行われた.注腸検査や内視鏡検査にて横行結腸に径10mmのⅠs型隆起性病変を認めた.正面像にて粘膜ひだの多方向からの集中像を認めた,側面像は得られず,側面変形による深達度診断は不可能であった.手術が施行され,粘膜下深層まで浸潤した高分化腺癌であり,粘膜下層を中心に強い線維化を認めた.粘膜ひだの多方向からの集中像は粘膜下層への浸潤を示唆する所見で,腫瘍の浸潤に伴う反応性線維化がその原因と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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