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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻3号

2001年02月発行

文献概要

特集 消化管癌の深達度診断 主題症例 深達度診断の限界を示した症例

比較的小さいにもかかわらず粘膜下層で粘液癌形成をみたPG type Ⅰs型sm中等度大腸癌の1例

著者: 黒河聖1 今村哲理1 安保智典1 栃原正博1 本谷聡1 菅原伸明1 萩原武1 能正勝彦1 佐藤利宏2

所属機関: 1札幌厚生病院胃腸科 2札幌厚生病院病理

ページ範囲:P.475 - P.478

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要旨 患者は44歳,男性.便潜血反応陽性にて精査となる.S状結腸にⅠs型径15mmのポリープを認め,注腸X線所見,大腸内視鏡所見では粘膜下への高度浸潤を疑わせる所見がなく,内視鏡的粘膜切除術を施行.病理所見では粘膜内進展部の部分は管状絨毛腺腫で異型度が弱いが,浸潤先進部に粘液結節を形成する粘液癌がみられ,sm中等度浸潤癌であった.PG typeが腺腫由来であるとすると,本症例は腺腫由来の癌,粘液癌の初期像として興味深く,深達度診断が困難であった1例と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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