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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻4号

2001年03月発行

今月の主題 潰瘍性大腸炎診断基準の問題点

主題

潰瘍性大腸炎診断基準の問題点―非連続性病変の面から

著者: 松本主之1 飯田三雄2 檜沢一興3 中村昌太郎3 石川伸久3 城由起彦3 八尾隆史4

所属機関: 1九州大学医学部附属病院光学医療診療部 2川崎医科大学消化器内科Ⅱ 3九州大学大学院医学研究院病態機能内科学 4九州大学大学院医学研究院形態機能病理学

ページ範囲:P.507 - P.515

文献概要

要旨 自験潰瘍性大腸炎(UC)症例を対象とし,虫垂開口部とそのほかの非連続性病変を内視鏡所見と組織像から検討した.1)UC114例中,虫垂開口部病変を34.2%に,虫垂開口部以外の非連続性病変を14.9%に認めた.前者陽性例では陰性例よりも後者の陽性率が高かった(38.4%vs2.4%,p<0.001).3例は区域性大腸炎であった.2)遠位型活動期UC53例では,虫垂開口部病変の有無で臨床像,内視鏡的罹患範囲,臨床的活動性,治療の有無,使用薬剤に差はなかった.3)大腸各区域から生検を施行した40例では,虫垂開口部病変の有無にかかわらず虫垂開口部と上行結腸で内視鏡所見と組織所見が乖離し,上行結腸では両者に有意な関係を指摘できなかった.生検標本で直腸からの連続性病変が示唆されたのは13例(32.5%)で,20例(50%)では直腸と虫垂開口部を含む非連続性病変と考えられた.以上より,UCでは深部大腸の非連続性病変はまれではないと結論した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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