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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻4号

2001年03月発行

今月の主題 潰瘍性大腸炎診断基準の問題点

主題症例

胃のびまん性炎症性変化を伴った潰瘍性大腸炎の1例

著者: 三上達也1 福田真作2 宇野良治1 田中正則3 佐々木賀広1 斎藤博1 棟方昭博1

所属機関: 1弘前大学医学部第1内科 2弘前大学医学部光学医療診療部 3弘前大学医学部第2病理

ページ範囲:P.575 - P.579

文献概要

要旨 患者は27歳の女性.下血,心窩部痛,悪心,嘔吐があり近医を受診し,4型の胃癌が疑われ当院を紹介された.全大腸炎型,中等症の潰瘍性大腸炎とびまん性の胃粘膜の発赤,びらんを認めた.胃生検では悪性の所見を認めなかったが,内視鏡的には表層拡大型の胃悪性リンパ腫も否定しきれず内視鏡的粘膜切除術を施行した.組織学的に高度の炎症細胞浸潤を伴い腺窩内に膿瘍も認め,潰瘍性大腸炎の組織所見に類似していた.Helicobacter pylori(H. pylori)は培養,尿素呼気試験,血中IgG抗体のすべてが陰性だった.胃炎は制酸剤,抗生剤の投与がなくとも,潰瘍性大腸炎の緩解に伴って改善を認めた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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