icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻4号

2001年03月発行

文献概要

--------------------

書評「がん告知―患者の尊厳と医師の義務」 フリーアクセス

著者: 武田文和12

所属機関: 1埼玉医科大学包括地域医療部 2埼玉県健康づくり事業団

ページ範囲:P.610 - P.610

文献購入ページに移動
 昭和43年医学部卒業の臨床医が中心になって書かれたユニークな本である.学園紛争の最中に卒業の時を迎えた私の周囲にいた彼らの仲間の多くが,当時の学園紛争を冷静に見つめ,新しい未来に期待をかけ力を蓄えようとの意気込みで医師としてのスタートを切ったと記憶している.その後,多くの経験を積み,今やがん患者の診療を担う主力臨床医に成長した著者らの手によってまとめられた本書は,たのもしい限りである.

 本書は,患者の人権を守るために行うがん告知のガイドライン,告知の実際と問題点,分担執筆者それぞれの専門分野からがん患者に病名や病状を伝えるために留意すべき点を具体的に論じ,しばしば遭遇した困難なケースについても考察している.本書を読んだ書評者自身は,“がん患者と真実を語り合うこと”の実現に向けて埼玉県立がんセンターで全職員とともに進めた15年間の努力の経緯の中の1つ1つを想起し,同感する点が多かった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら