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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻5号

2001年04月発行

文献概要

今月の主題 早期の食道胃接合部癌 主題

胃噴門部癌の発育進展の特徴

著者: 猪狩亨1 滝澤登一郎1 小池盛雄2 船田信顕3 比島恒和3

所属機関: 1東京医科歯科大学病理診断科学 2東京医科歯科大学病因病理学 3東京都立駒込病院病理科

ページ範囲:P.651 - P.661

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要旨 胃噴門部癌157例を用いてその発育進展を検討した.最大径,肉眼型,組織型,深達度,組織学的所見などを解析した.最大径2cm未満からsm癌がみられ,3cm未満ではss癌,4cm未満でse癌が出現した.組織型は早期癌では高分化型が多く,進行癌では低分化型が多かった.低分化型早期癌は極めて少なかった.隆起型では高分化型が主で,Ⅱc型はいずれの組織型ともみられたが,低分化型Ⅱcの多くは早期癌類似進行癌であった.解析の結果噴門部癌は,①早期癌と進行癌での低分化型癌の比率の逆転が他部位より顕著にみられ,②複合型癌が多く,③小型の進行癌が多く,④細胞異型が高い,という特徴がみられた.噴門部癌の多くは高分化型癌として発生するが異型度が高く,早期から低分化成分が出現して深部へ浸潤し,最終的には低分化型進行癌を形成するという発育進展形式が推論された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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