icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻5号

2001年04月発行

文献概要

今月の主題 早期の食道胃接合部癌 主題症例

食道胃接合部に発生し隆起型を呈した未分化型sm癌の1例

著者: 細川治1 海崎泰治2 林裕之1 道傳研司1 服部昌和1 渡辺国重1 大門和3

所属機関: 1福井県立病院外科 2福井県立病院病理 3光陽生協病院内科

ページ範囲:P.703 - P.707

文献購入ページに移動
要旨 患者は71歳.男性.健診を目的にした内視鏡検査で食道胃接合部右壁の病巣が発見された.X線的には急峻な立ち上がりを持つ隆起病変であり,頂部にわずかな陥凹を有していた.内視鏡的には隆起は発赤しており,口側はヨードに染色された食道上皮に囲まれ,肛門側は萎縮のない胃粘膜に及んでいた.腺癌と組織診断されて,手術を行った.切除標本では長径1.6cmの発赤した隆起形態をした充実型低分化腺癌で,深達度はsmであった.免疫組織化学的検索で癌細胞が腸型粘液形質を示し,またspecialized columnar epitheliumと考えられる腸上皮化生が近傍に存在したことから,short Barrett上皮から発生した腺癌と推論された(Siewert Ⅱ型).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?