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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻5号

2001年04月発行

文献概要

今月の主題 早期の食道胃接合部癌 主題症例

Barrett食道に発生した食道腺癌の1例

著者: 高木靖寛12 宗祐人12 野村秀幸12 松原不二夫12 白井竜2 八尾隆史3 松井敏幸3 八尾恒良1

所属機関: 1福岡大学筑紫病院消化器科 2新小倉病院内科 3九州大学大学院医学研究院形態機能病理学

ページ範囲:P.709 - P.715

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要旨 患者は71歳,男性.約10年来の胸やけ,上腹部不快感を主訴に近医を受診,上部消化管X線検査で胃に異常を指摘され新小倉病院を紹介された.1999年6月の内視鏡検査では最長4cmのBarrett食道を指摘され,Barrett食道内に境界不明瞭な微細顆粒状のわずかな粘膜肥厚が認められた.0-Ⅱa型のBarrett食道腺癌を疑い生検したが高度異型腺管は認めるものの癌とは診断されなかった.2000年3月の内視鏡検査では腫瘍は軽度発赤し,顆粒状でわずかに隆起し緊満感を伴っていた.生検組織は高分化型腺癌でありBarrett食道腺癌と診断した.X線検査では約7mmの小顆粒の集簇したわずかな隆起として描出された.以上より深達度MのBarrett食道腺癌と診断した.重篤な合併症を有する患者であったため治療は内視鏡的粘膜切除術を行った.病理組織学的には大きさ6×5mm,肉眼型0-Ⅱa型,腫瘍の一部が粘膜筋板に浸潤する深達度m3の高分化型腺癌であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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