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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻5号

2001年04月発行

今月の主題 早期の食道胃接合部癌

主題症例

食道由来腺癌との鑑別を要した食道胃接合部早期胃癌の1例

著者: 中橋栄太1 細井董三1 山村彰彦2 岡田利邦1 山田耕三1 中井呈子1 中村尚志1 入口陽介1 大浦通久1 宇野昭毅1 斉藤雄介1 小田丈二1 益満博1 知念信昭1

所属機関: 1多摩がん検診センター消化器科 2多摩がん検診センター検査科

ページ範囲:P.716 - P.722

文献概要

要旨 患者は68歳,男性.腹部食道前壁寄りの右壁を占居するSiewert type 2の症例を経験した.生検で腺癌が検出されたためBarrett腺癌を疑ったが確診には至らないまま,噴門側胃切除術を施行した.切除標本では病変の中心部は食道側に存在したが,癌最深部は胃側に存在していたため,その発生部位が問題となった.病理組織学的にはBarrett上皮を示唆する所見は得られず,また導管を含め食道腺由来の腺癌も考えにくいことから胃腺窩上皮より発生した胃癌(0-Ⅱc+Ⅰ,sm2,29×16mm)と診断した.粘液形質の検討では,胃型と腸型が混在しており,固有胃腺の粘液形質が証明されたことより,胃粘膜由来が示唆された発生学的に興味ある症例である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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