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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻6号

2001年05月発行

文献概要

今月の主題 早期大腸癌の深達度診断にEUSと拡大内視鏡は必要か 主題

EUSによる早期大腸癌の深達度診断の有用性と限界

著者: 清水誠治1 伊藤繭1 稲垣智子1 三上栄1 吉本貴宜1 多田真輔1 富岡秀夫1 水野成人1 木本邦彦1 川井啓市1 奥山祐右2 菅田信之2

所属機関: 1大阪鉄道病院消化器内科 2京都第一赤十字病院消化器科

ページ範囲:P.752 - P.758

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要旨 EUS像のパターン認識に基づけばsm浸潤度分類に沿った早期大腸癌の深達度診断が可能である.専用機と細径プローブの比較では,特に厚みのある病変を除けば細径プローブがより適している.病変の形態別では隆起型よりも表面型で良好な成績が得られる.通常内視鏡とEUSの比較ではEUSがやや診断能が高く,両者の診断をうまく組み合わせれば更に診断能の向上が図れると考えられる.誤診原因は病変の描出が不良であることに起因するものが最も多いが,炎症細胞浸潤や線維化の存在によるものもみられ読影上の工夫が必要と考えられる.第3層内低エコーの特徴をとらえれば組織像の推定も可能である.EUSは早期大腸癌の深達度診断において決して必須ではないが,ほかの検査法とは違う情報が得られるため一部の症例では有用であることは無視できない.EUS診断に習熟するためには,ある程度無差別に検査を行うことが必要であるのも事実である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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