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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻6号

2001年05月発行

今月の主題 早期大腸癌の深達度診断にEUSと拡大内視鏡は必要か

主題

色素撒布を併用した通常内視鏡での早期大腸癌深達度診断能―超音波内視鏡と拡大内視鏡の必要性

著者: 幸田隆彦1 松川正明1 平塚伸1 和田正浩1 木村好孝1 山本亘1 栗原稔1 横山登2 清水浩二2 熊谷一秀2

所属機関: 1昭和大学附属豊洲病院消化器科 2昭和大学附属豊洲病院外科

ページ範囲:P.783 - P.790

文献概要

要旨 自験例大腸sm癌69病変で通常内視鏡検査からretrospectiveに深達度診断を検討した.病変を発育様式(PG・NPG)を考慮して,組織学的にsm微少浸潤癌(sm-s)とそれ以外(sm-m)に分けてその診断能を検討した.内視鏡的深達度診断は内腔の弧の変形・ひだ集中といった伸展不良所見,陥凹局面の凹凸・粗雑,発育様式の予測と台状挙上の有無といった項目から行った.全体の正診率は77%であり,sm-m癌では78%であった.正診率の低下の原因は組織学的にPG発育を呈する隆起型病変の正診率が低いことであった.今回の検討では隆起型癌の緊満感や凹凸,非対称性発育といった所見を深達度診断の要素には加えておらず,それらを加えることにより,正診率は向上するものと考えられた.組織学的NPG発育を呈した病変は,今回の診断項目から91%診断可能であり,拡大内視鏡を用いなければ深達度診断が不可能と思われた症例は3病変のみであった.隆起型病変の深達度診断は超音波内視鏡(EUS)でも文献的に満足のいく結果は得られておらず,拡大内視鏡やEUSがなければ診断できない病変は必ずしも多くないものと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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