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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻6号

2001年05月発行

今月の主題 早期大腸癌の深達度診断にEUSと拡大内視鏡は必要か

主題

早期大腸癌深達度診断における拡大内視鏡と超音波内視鏡の役割

著者: 鶴田修12 河野弘志12 辻雄一郎12 藤田三丈12 宮崎士郎12 富安信夫12 古波倉允12 中原慶太12 立石秀夫12 伴茂樹12 前川隆一郎3 佐田通夫12 豊永純12

所属機関: 1久留米大学医学部第2内科 2久留米大学医学部消化器病センター 3社会保険田川病院

ページ範囲:P.791 - P.799

文献概要

要旨 早期大腸癌深達度診断における拡大内視鏡と超音波内視鏡(EUS)の有用性を明らかにすることを目的として通常内視鏡と比較した深達度診断能の検討を行い以下の結果を得た.①診断不能病変を含めたsm2~3の診断能は感度,特異度,正診率ともに通常内視鏡が拡大内視鏡,EUSより高かった.②拡大内視鏡によるsm2~3の診断能は他の検査に比べ感度が極端に低かった.診断能向上のためにはVpitの亜分類が必要と考えられた.しかし,V型以外のpitにはSM2~3は存在しなかった.③EUSの診断不能率は最も高かったが,診断不能病変を除いたsm2~3の診断能は通常内視鏡に近かった.また,通常内視鏡で誤診した6病変のうち3病変を正診していた.以上をまとめると,通常内視鏡が最も診断能の高い優れた検査法である.しかし,それのみでは十分診断できない病変も存在し,通常内視鏡による深達度診断に確信が持てない病変に対しては積極的に他の検査,特にEUSを施行すべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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