今月の主題 早期大腸癌の深達度診断にEUSと拡大内視鏡は必要か
主題
早期大腸癌における細径超音波プローブと拡大内視鏡の深達度診断―通常内視鏡診断との比較から
著者:
松永厚生1
野村美樹子1
内海潔1
宇都宮恭子1
平澤大1
野田裕1
結城豊彦1
佐藤匡1
石田一彦1
妹尾重晴1
鈴木敬1
菅原俊樹1
洞口淳1
藤田直孝1
富永現2
所属機関:
1仙台市医療センター消化器内科
2石巻市立病院消化器内科
ページ範囲:P.801 - P.804
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要旨 大腸癌の深達度診断は精度向上への様々な工夫が進められている.超音波内視鏡(EUS),細径超音波プローブ(MS),拡大内視鏡(拡大)の有用性を強調する報告が増加している中で,早期大腸癌の深達度診断は通常内視鏡(CS)で十分であるとする意見も少なくない.CSの深達度正診率は内視鏡経験年数に比例して向上する.これに対しMSや拡大では,経験年数10年以上では向上がみられないものの,より年数の少ない内視鏡医で著明に向上し,経験年数による診断能の差は減少する.MSと拡大はCSに比べより客観的な深達度診断が可能であり,比較的経験年数の浅い内視鏡医の深達度診断能の向上に有用であることを示した.